再生可能エネルギーの主力電源化に向けた擬似慣性 PCS の実用化開発
目的
2025年2月に閣議決定された「第7次エネルギー基本計画」(経済産業省・資源エネルギー庁策定)において、2040年に向けた重要な施策の一つとして再生可能エネルギー(以下、再エネ)の主力電源化に向けた取り組みが掲げられていますが、再エネの大量導入にあたっては多くの課題が存在します。
再エネの発電量増加に対し、消費電力とのバランスを一定に保つためには、火力発電機などの大型同期発電機の運転台数を減らす必要があります。それにより、電力系統には、同期発電機に備わる電力系統の瞬間的な変動に対応する調整能力、いわゆる系統慣性(以下、慣性)の保有量が低下します。慣性の保有量が低下すると、系統事故等における安定性が損なわれ、最悪の事態では広域停電へと繋がる虞があります。そのような事態を回避すべく、電力系統において一定の慣性を確保することが重要です。
本研究では、再エネの大量導入に伴う系統慣性の低下に対応するため、再エネ設備に疑似慣性機能を付与することにより慣性を確保する手法を検討する。高圧連系用PCSに疑似慣性機能を実装し、周波数変動の抑制など系統安定化に寄与する慣性低下対策技術の確立を図るとともに、慣性低下対策PCSの実用化に向けた技術開発を実施する。
電力系統における慣性とは

慣性低下による影響イメージ

概要と成果
(1)慣性低下対策PCSの開発
- 慣性低下対策PCSの実用化を目的に設計・仕様検討および試作機製作を実施
- 蓄電池向けPCSを中心に開発を進めるとともに、難易度の高い太陽光向けPCSについても並行して検討
(2)慣性低下対策PCSの評価試験
- 評価試験をラボ試験および模擬系統試験により実施し、その結果を踏まえて試作機の改良を行う
(3)慣性低下対策PCSの導入効果、影響評価検討
- 将来の再エネ大量導入を想定した需給シナリオを策定し、PCS導入による効果・影響を系統解析および基礎特性解析により評価

NEDO事業の目的および概要

慣性低下対策PCSの開発
共同研究(開発)者
東京電力PG、産業技術総合研究所、電気安全環境研究所、電力中央研究所、早稲田大学、環境エネルギー技術研究所、東京大学、広島大学、呉工業高等専門学校、北海道大学
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本研究は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務により実施しています。
担当部署
経営技術戦略研究所 技術開発部 スマートグリッドエリア











